第33回日本看護歴史学会学術集会 
高度実践時代に向けて看護と専門職のこれからを考える

 

  2019年8月31日、9月1日、第33回学術集会を開催いたしました。学術集会には245名の会員、専門職の方、院生、学生の皆さんにご参加いただきました。皆様のご参加に感謝申しあげます。
 第33回学術集会では、『高度実践時代に向けて看護と専門職のこれからを考える』をメインテーマに、高齢社会と社会保障費の高騰などの社会の変化と、看護の高度実践化が進む時代を見据え、あらためて看護とは何か、どのような専門職でありたいのかを考え、今後の展望と課題を整理し、今後の発展の礎とする機会にしたいと考えました。
 教育講演の岡谷恵子先生からは、日本の高度実践の始まりとなったCNS(Certified Nurse Specialist)に寄せられていた当時の関係者の期待や今日における課題について、豊富なデータをもとに解説いただきました。実力を備えたCNSを養成すること、現場で活用することもさることながら、高度実践の制度をどう整備していくかが重要な課題となっていることが伝わってきました。

 招聘講演のフェアマン先生からは、NPが登場する前から、米国ニューヨークのヘンリーストリートセツルメントや、フロンティアナーシングサービスなど、類似のケアサービスが戦前より戦後にかけて存在していたこと、医師が少ない地域でNPが徐々に受け入れられていったプロセスをお話いただきました。1965年にNPが誕生してすでに半世紀を過ぎて、すでにNPの行っていることは看護なのか、医師の診療なのかという問い自体が意味をなさない、米国看護師たちの「あたりまえの感覚」に、少しめまいがするような感じもしました。

 シンポジウムでは、CNSをけん引してきた立場から宇佐美さおり先生、法学の立場から峯川浩子先生、NPとして塚本容子先生にお話をいただきました。さまざまな課題はありますが、塚本先生曰く「拡大expandでも延長extendでもない、一歩進んだAdvanced の看護」のアウトカム(CNSも、NPも)をはっきりと感じられたことが、なによりも希望がもて、多いに勇気づけられるものとなりました。

 今後も歴史の流れの中で、さまざまな時代や社会の要請に応じて、看護は変容を遂げることでしょう。新たな役割を引き受けることによる葛藤は避けられないと思います。それでも人々のニーズを真摯に見つめ、それに応じる「看護」として、発展していきたいと考えます。

 理事会セッションにも大変好評をいただきました。口演、ポスター発表では熱いディスカッションの場面も見られ、研究意欲と元気が湧く有意義な一日になったことと感じました。

 最後に、学会の開催にあたり、多くのご寄附等をお寄せいただきました企業の皆様、また多大なるご支援を賜りました関係者の皆様、ボランティア、実行委員の皆様に深く感謝申し上げます。

 

第33回日本看護歴史学会学術集会  

学術集会長 川 原 由 佳 里  

 

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第33回​ 日本看護歴史学会学術集会 事務局

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