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  • Yukari Kawahara

第32回日本看護歴史学会学術集会に参加して

最終更新: 2018年9月29日

2017年8月24日(金)25日(土)広島県呉市の広島文化学園大学にて開催。学術集会長は佐々木秀美先生。

学術集会1日目 台風が過ぎ、青くて凪いだ海の見える会場、木管五重奏で開幕。

学術集会長講演は、佐々木秀美先生による「ナイチンゲール看護のこころ今に伝える」。ナイチンゲールの言葉は今も新しい。病弱で人生のほとんどをベッド上で過ごしたナイチンゲールでしたが、明晰な頭脳とともに、周囲に惑わされることなく信念を貫き通す豪胆さを持ち続けました。それが佐々木先生のお人柄とに(私の中では)にリンクして、圧倒された講演でした。

続いて教育講演Ⅰ真壁伍郎先生の「看護の歴史パノラマから見えてくるもの」。ICRCのスライドを手掛かりにということでしたが、ナイチンゲールが長く苦しかった悩みの時代を経て、学んだカイゼルスヴェルトのフリードナー夫妻のお話に感動しました。困窮者の支援は、庭に設けられた東屋のたった2つのベッドからはじまりました。ディアコニッセは、それらの人々の救済の業に専念しました。

教育講演Ⅱ平井章氏の「長谷川保の看護・福祉思想とその精神の継承」。ドイツのディアコニッセは、戦後、日本へとやってきます。そして長谷川保とともに困窮者の救済を始めます。途中、何度も経済的な危機や、周囲の排斥運動などを経験しましたが、つねに時代にさきがけて必要な事業を起こし、それが聖隷浜松へとつながっていきました。

フリードナー夫妻もその末裔であるディアコニッセたちも、たくさんいる困窮者のうちの、1,2人を救うことから始めました。途中、なんども危機を迎え、どこかの時点で途絶えていた可能性もあった。それを思うととりあえず着手しはじめた人達の偉大さを感じざるを得ません。

このあたりの講演の企画と流れが非常にすばらしかったです。本当に看護を必要としている人に看護を。応答すべきニーズを持つ人は誰かをしっかり認識してこそ、専門職としての責任を果たせるのだろうと思います。

2日目はあらためて平和を考える企画

教育講演Ⅳ鎌田七男先生の「広島県における原爆医療の歴史的変遷」客観的な医学研究を通してではあるが、先生は、被爆者との心の通った交流を、長年にわたって続けてこられた。研究成果は染色体だけでなく、被爆された方々の心の問題にも及ぶ。必要最小限の情報しか得てはならない、データは他に利用してはいけない、研究が終わったら破棄しなければならない、そんな研究態度では、決して得られなかったであろう被爆者との関係であり、理解である。やはり長い年月を通じて関係を持ち続けること、研究活動そのものが癒しになるように努力する研究があってよい。ちょっとした懸念で研究自体を控えさせようとし、書類に拘泥する今日の研究倫理を思いつつ・・。

理事会セッション3戦争と看護ー被爆の記憶を風化させないために」被爆者でいらっしゃる岡田恵美子さんの証言。医療ソーシャルワーカーとして被爆者と向き合ってきた村上須賀子さんのお話。正直、聞いていて苦しく、つらかった。どのように正当化したとしても、市民への無差別攻撃が許されるはずがないし、なんの罪もない子供たちを殺す理由などないと思う。世の中から核兵器など無くなりますように。

学術集会ではたくさんの演題発表も行われました。あまりゆっくり見る時間がなく残念でしたが、テーマの幅も広がってきているのを感じました。歴史を学ぶからこそ考えられること、言えることがきっとあると思います。関心のある方はどうぞご入会ください。

最後に、開催校の先生方に心より感謝申し上げます。

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第33回​ 日本看護歴史学会学術集会 事務局

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